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不妊症
〜10組に1組のカップルが不妊症の可能性があります〜

 妊娠を試みて2年経っても妊娠しないカップルを不妊症と定義していますが、実際には、不妊期間が1年程度であっても、ご希望があれば、不妊の検査や治療を始めています。

原因:不妊の原因は一般に女性にあると思われがちですが、男女ほぼ半々と言われています
@ 排卵因子(25〜30%)・・高プロラクチン血症やその他ホルモンの分泌異常など
A 卵管因子(30〜35%)・・卵管が狭かったり、つまっている。子宮内膜症など
B 子宮因子(10〜15%)・・子宮奇形、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮腔癒着など
C 男性因子(30〜35%)・・精子の数が少ない、または動きが悪い
D その他・・・・・・・・・子宮の入り口を精子が通過できない(頚管炎、頚管粘液産生不全など)、免疫因子など

検査方法:不妊の原因を調べる上でまず必要な事は、排卵があるか、卵管は正常に機能しているか、男性因子が正常であるかを把握する事です。異常や疑いが認められた場合には、より専門的な詳しい検査が必要となります。
@ 問診・・・・過去の病歴、持病の有無、妊娠歴、月経の状態など把握します
A 基礎体温測定・・排卵の有無や排卵日の予測に有用な検査です
B ホルモン測定・・女性ホルモンは卵胞期、排卵期、黄体期などの月経周期によって変化します。各時期に合わせて各種ホルモンの測 定を行ないます。
C 超音波検査・・・子宮筋腫や、子宮内膜症、子宮奇形など疾患の有無をチエックします。また、卵胞の成熟状態や、排卵の有無、排卵時期を知るのに有用な検査です。
D 精液検査・・・・精子の状態を見る、男性側の検査です。精液量、精子の数や運動率を調べます。
E 子宮卵管造影検査・・造影剤を用いて、子宮内腔の様子や卵管がつまっているか調べる検査です。
F 子宮頚管粘液検査・クラミジア抗原検査・・・クラミジアは性感染症のひとつで、増加傾向にあります。感染が広がると、卵管が癒着したり閉塞したりと不妊の原因になる場合があります。また、排卵時期に増える、子宮頚管粘液の量や質を調べる事で、精子が子宮内に入りやすい状態かどうか知る事ができます。 その他、より詳しい検査として、腹腔鏡検査や子宮鏡検査(子宮内に内視鏡を挿入して、内膜ポリープや筋腫の有無を調べます)があります。

治療:不妊の原因によって必要な治療方法があります。排卵障害があれば、排卵誘発剤の投与が行なわれます。卵管因子や男性因子が認められた場合には、人工授精や体外受精が必要になる場合があります。また、不妊の原因になる子宮筋腫や内膜ポリープ、子宮内膜症に対しては手術療法が行なわれる場合があります。当院では人工授精まで行っております。

不妊の検査や治療はここ数年で格段に進歩しています。ひとりで悩まずに、まずは当院にてご相談ください。


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